スポンサーサイト
- 2023.04.11 Tuesday
一定期間更新がないため広告を表示しています
- -
- -
- -
こんにちは。
「作業療法」「作業療法士」と聞いてもイメージがわかず、よくわからないという声をよく聞きます。
今回は作業療法・作業療法士という職業について解説したいと思います。
まず、作業療法士の職能団体である日本作業療法士協会では、作業療法をこう定義しています。
「作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。
作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。」
(出典:http://www.jaot.or.jp/about/definition.html)
これを行う人が作業療法士ですね。
また、本学教員は作業療法をこう表現しています。
「対象者の方が日常生活や社会生活の場面で経験する不自由さや痛み、不安などをあたかも我がことのように捉えて、その解決方法や対処の方法を考え出すこと」
対象者というのは、患者、利用者、入所者など、作業療法を受ける人のことです。
ピンとこない方もいると思いますので具体的に言いますと…
例えば、50歳代男性のAさんは家族4人を支える、いわは大黒柱です。
そんなAさんはシステムエンジニアの仕事をしています。
やりがいもあり家族の中でAさんの役割は仕事によって果たされています。
つまり、Aさんにとって仕事はとても価値のある作業と言えます。
そんなAさんがあるとき脳梗塞で倒れ、右手が動かなくなり、言葉も思うように出なくなりました。
作業療法士は、Aさんが病院に入院する数か月の間、日常生活に不可欠な食事やトイレ、着替えなどが1人でできるように作業療法を行います。
さらに、Aさんにとって大切な仕事についても作業療法を行います。
右手を動かす練習には時間がかかるので、それだけでなく左手でパソコンを使う練習をしたり、片手でも操作できるようパソコンの設定を変えたり、マウスなどの道具を改造したりします。
同僚の方がお見舞いにいらした時に仕事内容を詳しく聞いてAさんでもできることを話し合ったり、話の仕方を伝えたりします。
Aさんが仕事という価値のある作業ができるように、体と心、道具、方法、家族、同僚に関わります。
もちろん、全てAさんの要望を聴きながらAさんと一緒に進めます。
他にも、転んで足を怪我して閉じこもりがちになりつつある高齢者のご自宅に作業療法士が訪問リハビリに行き、趣味だった草野球観戦に行けるようになるために、靴を履く玄関に椅子を設置して靴を履きやすくしたり、ご家族と屋外歩行の練習を週に2回行ってもらったりします。
また、仕事を頑張りすぎてうつ病で入院している40代の女性と、休みの日の過ごし方、例えば買い物や散歩などその方が安らげる作業(活動)を考えたりします。
これらの作業療法は、全て対象者の「健康と幸福」につながると作業療法士は考えています。
少し長くなりましたが、こんなようなことが作業療法、作業療法士です。
興味を持ってもらえたら幸いです。
のむら